VELTEX INSIDE COLUMN Vol.2
フィン・ディレイニー、ついに“静岡市デビュー”
今季のキーマンが静岡でハマっているのは…
期待の助っ人が、いよいよ本拠・静岡市中央体育館に初お目見えする。今月4日にインジュアリーリストから抹消されたフィン・ディレイニー(29)が、水曜開催となる18日の神戸戦で“静岡市デビュー”を飾ることになりそうだ。7日の敵地・福島戦で15試合ぶりに復活し、チーム2位の16得点でさっそく勝利に貢献。前節の奈良戦を経て、ついにホームアリーナのコートに立つ。
ディレイニー「スタッフ、トレーナーの方々が本当によくサポートをしてくれてケガから復帰出来たことをすごく、感謝している。コーチ陣やチームメートも常に声をかけてくれた。チームに戻れてうれしい」
アクシデントが襲ったのは10月19日、今季最初のホーム戦だった。沼津開催の第3節・鹿児島戦の第1戦に負傷。右長内転筋肉離れで1か月以上チームを離脱した。その間、自身はプレーできなかったが、ベンチの外からチームを客観的に見つめた。
「改めて、能力のあるチームだと感じていた。必ず、次のステップに向けて成長出来るチームだと思った」
2メートルの長身で攻守両面にわたって高い能力を誇る。本職はPFだが、SFもボール運びもこなす万能型だ。今季から指揮を執る森高大ヘッドコーチ(35)は、開幕前からディレイニーを軸にチームを作ってきた。攻撃面ではディレイニーをSFに据えて、日本人ビッグマンの加納誠也(35)、帰化枠で今季新加入のバローンマーテル(29)をPFに置き、センター陣を含めた「スリービッグ」でインサイドを支配するオプションを“売り”のひとつとしていく構想だった。キーマンの復帰で、7日の福島戦からようやく、理想の形が実現した。
「自分が戻ってきたことによって、そこはチームの武器になると思っている。ゲームの状況に合わせて効果的なラインナップが組めると思う」
南半球のニュージーランド出身で、代表歴がある29歳。代表戦で来日したことはあるが、日本のチームでプレーするのは初めて。オールブラックスに代表されるようにラグビーが有名で、ディレイニー自身もプレー経験があるという。
「ニュージーランドでは小さい頃、色々なスポーツをやるのがスタンダード。私も高校ぐらいまではラクビーもやっていた。ポジションはバックス。でも、あまりトライを取ったことはないけどね(笑)。ほかには水泳、テニスの経験もある。中でも一番好きだったのがバスケだったので、今も続けている」
日本と同じように、海に囲まれた島国でサーフィンも趣味のひとつ。「うまくはないけど、好きです」。静岡県内に御前崎や伊豆にサーフィンをやれる海岸が多いこと知ると「今度、チェックしたい」と目を細めた。
静岡に来て早5か月。日本食は来日前から好きでよく食べていたという親日派。今のお気に入りは「ラーメン」で、特に「一蘭」に通うほどハマっている。日本の生活にも慣れてきたディレイニーの復帰で、ベルテが巻き返しを図る。(スポーツ報知記者・塩沢 武士)
ベルテックス静岡では、ホームゲームをよりお楽しみいただけるよう、クラブ創設よりつぶさにご取材いただいているスポーツ報知様にご協力をいただき、今後のホームゲーム各節の前にピックアップした選手の現在地や横顔に迫ったコラムを寄稿いただくことになりました。