VELTEX INSIDE COLUMN Vol.3
増田啓介。クール、かつ熱い男。
全試合スタメンの
「ベルテの顔」が難敵を止める
クール、かつ熱い男、
全試合スタメンの
「ベルテの顔」が難敵を止める
加入1年目で、ベルテックス静岡の新たな“顔”になった。今季B1川崎から移籍した増田啓介(26)が、リーグ全24試合(18日終了時点)でスタメン出場中だ。9月の富山とのプレシーズンゲームを含めると、チームでただ一人、全試合で先発を果たしている。
増田「昔は、スタメンが主力みたいなイメージはあったけど、今はちょっと変わっている。森(高大ヘッドコーチ)さんも、相手によってラインアップを変えると言っているし、(「チームの顔」との)意識はないです。ただ、スタメンで出ている以上、出だしのディフェンスの強度とか、スカウティングして“ここはやらしてはいけない”という部分は、すごく意識してます」
表情をあまり変えず、淡々とプレーする姿とは対称的に、実は勝負に“熱い男”だ。味方選手が相手のブロックショットにあい、エンドラインを越えて倒れていると、インプレー中ながらベンチから飛び出して「早くディフェンスに戻れ」とばかりに、一目散に抱き起こす姿を何度か見かける。SFのポジションでは相手の得点源となる外国籍選手とマッチアップ。スタッツには表れないが、体の張ったディフェンスは森ヘッドの評価も高い。
「チームで戦っている以上、勝つことも負けることもあるけど、体張ってくれた選手に対し、ヘルプアップする行動が出来るチームは強いと思っている。これは、ブースターへのお願いにもなりますけど、ルーズボールに対して、体を張って倒れ込んでいる選手に拍手を送ってもらえるとうれしいです」
チームでは岡田雄三(28)=沼津中央高出=が一番の話し相手だ。同じ静岡出身で、学年は増田が2つ後輩。2年前、バスケットボールの県人会で初めて顔を合わせてから急接近した。岡田と同じ年で、増田とは高校(福岡大大濠高)、大学(筑波大)の先輩となる青木保憲(29、B1仙台)=安倍川中出=を介して仲良くなった。
「県人会のあとに3人でラーメンを食べにいってからの付き合い。昨年も3人でラーメンを食べて、帰りに雄三さんに車で(焼津市の)実家まで送ってもらった。移籍のあいさつは、今年の県人会でした(笑)。今では時間があれば、2人で食事をしながらバスケやプライベートの話をするし、一緒に温泉施設にも行きます」
21、22日はホームでA千葉戦が行われる。2024年の本拠で行われる最後の2連戦。東地区首位を独走する強豪に対し、昨季はプレーオフ(PO)を含めて6戦全敗。今季も第2節で連敗した相手との一番に、どこまで戦えるか注目が集まる。
「相手は確かに、強い。ただ、負けたけど、やれないところはないとい思う。通用したところもあった」 細かい部分は、「まだ今季、対戦が残っているので内緒です」と多くは語らなかった。「B2優勝&B1昇格」を目標にしているベルテにとって、V候補筆頭でPOでも超えなければならないライバル。年内最後のホームゲームで、増田がクールにそして、熱く、チームを引っぱる。(スポーツ報知記者・塩沢 武士)
ベルテックス静岡では、ホームゲームをよりお楽しみいただけるよう、クラブ創設よりつぶさにご取材いただいているスポーツ報知様にご協力をいただき、今後のホームゲーム各節の前にピックアップした選手の現在地や横顔に迫ったコラムを寄稿いただくことになりました。