VELTEX INSIDE COLUMN Vol.7
サイモン拓海、3点シュートだけじゃない
24歳が追求するものとは
3点シュートだけじゃない
24歳が追求するものとは
グアム代表のシューターで、ベルテックス静岡のSGサイモン拓海(24)が、青森戦(2月1、2日・このはなアリーナ)で存在感を発揮する。今季は31試合すべて途中出場ながら10試合で2ケタ得点をマーク。3点シュート成功率は目標の「40%」には及ばないものの、36・3%とまずまずの数字を誇る。得意の3Pだけでなく、最近はドライブから積極的にゴールに向かう姿勢も光っている。
「3点シュートは自分の持ち味。でも、オールラウンダーになりたいので、ディフェンスが寄ってきたら、ドライブからゴール、アシストを意識している」
第17節(1月11、12日)の敵地で行われた古巣の信州戦では、ヒヤリとする場面があった。第1戦の第1クオーターにシュート直後の着地で負傷し途中退場。試合後は車いすで運ばれ、第2戦は欠場した。長期離脱も心配されたが、幸いにも軽傷で、4連休後の練習から合流した。
「ほんと、車イスは大げさすぎた(苦笑)。古巣との対戦で、昔の仲間やブースターに会えてうれしかったし、気合が入っていたけど、まさかの途中退場。自分へのふがいなさからタオルで顔を覆っていたら、知り合いに『泣いてたの?』って言われた。いや、泣いてないから(笑)。悔しいというか、もっとやれたのに、という怒りというか、そんな感情だった」
グアム育ちの24歳。日本人の母を持ち、少年時代には京都にある母方の親戚の家に「毎年のように行っていた」という。信州戦の後、中断期間を利用して仲良しのジョン・ハーラー(25)と、家族のいるグアムに帰省した。
「何も予定は入れてなかったけど、ジョンが『グアムに行かない?』って言うから。当初はゴルフをやるつもりで。でも、負傷したので私は出来なかった。その代わり、ジョンの付き添いでカートの運転手をやっていた(笑)。強い日差しのおかけで日に焼けたけど、リフレッシュ出来た」
今は理想の体を追い求めている。大学入学のころに比べると、体重は15~20キロ増えた。登録は81キロだが、「現在は84キロ」。普段から落ちやすいため、意識的に一日4食にするなど体調管理に努めている。今はプロ選手として自身のベスト体重を探っている段階だ。
「どれくらいの体重で自分の最高のパフォーマンスを出せるのか。軽すぎると体の大きい外国籍にフィジカル負けするし、重すぎても、ジャンプが出来なくなるし、持ち前のスピードが落ちてしまう不安もある。自分の中では、26歳ぐらいまでに、どれくらいがベスト体重かを見つけられたらと思っている」
そして、今、体重管理に一役買っているのが『ガスト』の「スパイシーチキン」だという。
「一回好きになったら、飽きるまで食べるのが私のスタイル(笑)。体重を落とさないために、夜食としてスパイシーチキンにはまっている。よく、ジョンとガストに行くよ」
現在、シューターのSG新川敬大(29)が右手第三中手骨骨折で離脱する。その分、サイモンにかかる期待が大きい。プロ3シーズン目でまだまだ成長途上。プレーオフ争いが、し烈となる後半戦へ、グアム代表のシュート力はチームに欠かせない。(スポーツ報知記者・塩沢 武士)
ベルテックス静岡では、ホームゲームをよりお楽しみいただけるよう、クラブ創設よりつぶさにご取材いただいているスポーツ報知様にご協力をいただき、今後のホームゲーム各節の前にピックアップした選手の現在地や横顔に迫ったコラムを寄稿いただくことになりました。