VELTEX INSIDE COLUMN Vol.6
ジョン・ハーラー、初体験のポジションも
日本語も日々上達中
初体験のポジションも
日本語も日々上達中
ベルテックス静岡の「リバウンド王」が、ゴール下で存在感を発揮し続けている。ジョン・ハーラー(25)の進化が止まらない。昨季プレーオフ(PO)を含めて全62試合に出場し、今季もここまで全32試合でコートに立っている。チーム内でのタイムシェアの関係で、昨季より平均出場時間は2分10秒減っているが、1試合あたりのリバウンドは10・9本から今季は11・8本に増えて、リーグ2位につける。
ハーラー「全体的にいい前半だった。ちょっとケガ人が出たけど、全員がそろえば、間違いなくB2でも上位に入れる力があることが分かった。個人的には、昨年の役割と、それほど変わっていない。ただ、今季はどんなリーグか分かった上で戦っているので、昨季よりいい状態ではあることは間違いない」
昨季はセンター一本だったが、今季はアンガス・ブラント(35)と出場する時間帯は4番ポジション(PF)でプレー。不慣れな位置だが、戸惑い以上にやりがいを感じている。
「正直、4番ポジションでプレーするのは初めて。まだまだ色々、学んでいるところ。でも、今後の長いキャリアを考えた時に、すごくいい経験になると思っている」
コート内だけでなく、来日2年目でコート外の静岡の生活にも慣れてきた。近所には、お気に入りの喫茶店も見つかった。
「今年は(サイモン)拓海とか、英語をしゃべる選手が多くなったので、彼らとの日常も楽しいし、より静岡の生活をエンジョイしている。コーヒーは元々、好きだったけど、1年、スペインにいた時に、すごくはまった。ランチ、ディナーのあとには、必ず出たからね。今は市内にある『けのひ堂』でコーヒー、たまにラテをいただいて、リラックスしているよ」
信州戦のあと、中断期間を利用して4連休を楽しんだ。サイモンの実家があるグアムでリフレッシュしたという。
「拓海の母親(日本人)は僕の日本語の先生なんだよ。いつもはオンラインで教わっているけど、今回は初めて、直接教わった(笑)。しゃべるのはまだまだだけど、理解力はだいぶ高まっている」 昨季から試合中にハーラーが活躍すると、ホームの会場に「ジョン・ハーラー!」のコールが響き渡った。「最初はちょっと恥ずかしかった。ただ、辞めて欲しいとは思わないよ」。今は、ほかの選手のコールも増えて、恥ずかしさは減った。B2に昇格して2年目。アリーナの声援は、1年前に比べてだいぶ盛り上がっているのは、実感している。
「期待値がだいぶ上がって、街でも、『頑張ってね』と声をかけられる機会が増えたのはうれしい」 いよいよ、今週からリーグが再開する。現在、チームは19勝13敗の西地区3位でPO圏内につける。25、26日はホーム(静岡市中央体育館)で同2位の鹿児島との2連戦が待っている。PO初戦をホームで行うには、地区2位以内に入らないといけないだけに、負けられない相手だ。
「中断明けの大事な試合。鹿児島に2勝します」
サイモン母仕込みの日本語で宣言したハーラーが、リーグ後半戦もゴール下を支配する。
(スポーツ報知記者・塩沢 武士)
ベルテックス静岡では、ホームゲームをよりお楽しみいただけるよう、クラブ創設よりつぶさにご取材いただいているスポーツ報知様にご協力をいただき、今後のホームゲーム各節の前にピックアップした選手の現在地や横顔に迫ったコラムを寄稿いただくことになりました。