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HOME > ニュース > VELTEX INSIDE COLUMN Vol.13熱い心の仕事人・橋本尚明長男と加納主将の存在を励みに魂込めたプレー見せる

VELTEX INSIDE COLUMN Vol.13
熱い心の仕事人・橋本尚明
長男と加納主将の存在を励みに魂込めたプレー見せる

 
 
熱い心の仕事人・橋本尚明
長男と加納主将の存在を励みに
魂込めたプレー見せる
  

 寡黙だが、心は熱い仕事人だ。ベルテックス静岡に加入して2年目のSG橋本尚明(32)が、今季もチームを支えている。いよいよ、リーグも今節(4月19、20日)が最終戦。新装したばかりの北里アリーナ富士で奈良と対戦する。ここまで全58試合に出場して、1試合平均22分2秒のプレータイムでアベレージ7・3得点。何より、強度の高い守備力で、チームが掲げる「超攻撃的ディフェンス」を体現する。
「レギュラーシーズンは残り2試合あるけど、ここまでみんなステップアップできたシーズンだった。特に序盤は、大黒柱のフィン(ディレイニー、29)が不在の中、マイナスと捉えず、みんなが成長できたと思う」
 シュート力も健在だ。3月29日のホームでの神戸戦では8本打ち、すべてフィールドゴールを沈めた。年齢的にはベテランの域に達するが、今季は今までになく自身の成長を実感している。森高大ヘッドコーチ(35)の元、新しい「気づき」が多いという。
 「ハンドラーとしてのシュートの持っていき方。スペーシングの取り方。ボールをもらうタイミングなど。ディフェンスに関しても新たな発見ばかり。森さんはわずかなことも妥協しない。この年になって、成長しているなって本当に思っている」
 今季は思い出のシーズンにもなった。2024年11月2、3日にB2福井と対戦。相手チームでアシスタントマネジャーを務めている長男・脩愛(19)との「親子対決」が実現した。出会った時にはサッカー少年だったが、今はバスケットの世界に身を置いている。

 「プロの舞台で戦えて、家族としては夢がひとつ叶った。小学校の低学年で初めて(息子と)出会って、僕の背中を見てバスケットを始めたみたい。高1(宮崎・延岡学園)までプレーヤーで、それからは『将来、指導者になりたい』と、学生コーチをしていた。今はヘッドコーチを夢見て修業している最中です」
 同じバスケ界で生きるもの同士。今は年に数回しか一緒に食事できる機会はないという。「バスケの話はたまにする。この前、『あの時のディフェンスは、もっとこうした方が良かったんじゃないの』なんて生意気言うから、『うるせー、〇カ』って、言ってやりましたよ」。笑いながら、うれしそうに話す表情は、まさに父親の顔だった。
 試合前のルーチンがある。開始ギリギリまでボールに触れ、指先の感覚を研ぎ澄ます。コートに入場する直前には選手らとハイタッチするが、加納誠也主将(36)とは特別にお互いの体をぶつけ合う。その姿は、まるでチームリーダーの魂を体に注入しているようにも映る。
「誠也さんの思いを背負うなんて、そんなおこがましいことはまったく思っていない。言葉にするのは難しいけど、ただ、僕なりに『誠也さんと一緒に戦おう』とは思ってます」。
昨季に比べて出番が大幅に減少し、もがき、苦しむ中、それでも苦悩した姿を見せずにチームの規範となって行動する主将にリスペクトの思いを込めて、背番号16はコートに立っている。
 ここまでチームの成長には確かな手応えをつかむ。「正直、B2昇格2年目でここまで来るのは、すごいことですよ」と認めつつ、「でも、まだ『すごいこと』の途中ですけどね」。B1昇格の高みを目指し、橋本尚明がチームに魂を注入する。(スポーツ報知記者・塩沢 武士)

  


ベルテックス静岡では、ホームゲームをよりお楽しみいただけるよう、クラブ創設よりつぶさにご取材いただいているスポーツ報知様にご協力をいただき、今後のホームゲーム各節の前にピックアップした選手の現在地や横顔に迫ったコラムを寄稿いただくことになりました。